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記事についてのご質問、コメントについて

これまでの記事で、「冷えのぼせとは」「十全大補湯のほうが補中益気湯より効果が出るのが早い」

「柴胡と抑肝散の違いは」などのご質問、貴重なコメントをいただきました。

漢方医学は初めてという方の場合、読み返してみて確かにわかりづらい記事だなと思いました。

また、使用のご経験があったり、共感できるという方もいらっしゃるとわかり、

とても嬉しく思いました。

クリニックのHPのブログは疾患についての記事を書かざるを得ないのですが、

少しでもどなたかの役に立つのであればと思うととても励みになります。

本当に有難うございます。

私自身、漢方を学び始めた頃、脂汗が出そうというくらい漢方医学の教科書に馴染めず

しんどかったです。

西洋医学しか知らない者にとっては概念の捉えづらい言葉が並び、

ひとつひとつ理解するのに時間がかかるからです。

そして、記事を書き始めて、インターネットでこれだけ情報が出回っているので

細かな説明は必要がないのでは?と先入観をもっていました。

でも、記事にするのだったら丁寧な説明のほうが読みやすいですね。

…不親切だったと考えを改めました。

そこで、私の理解している内容を私の言葉で表現しようと思います。

ネットや教科書に言葉の説明はありますので、それを読んでいただくと、

言葉の定義はご理解いただけると思います。

なので、できればそういう表現を用いずに書いてみようと思います。

1)冷えのぼせについて

気滞に関連付けて、「気の巡り」の記事で冷えのぼせも説明がつくと書きました。

それは、胸と腹の境目あたりで気滞が生じると、

生命体を巡る気がそこで留まってしまうことになります。

気は、熱を運び、血や水を運ぶなど、動くエネルギーとしても作用していますから、

気が滞ると熱も止まってしまいます。

血や水や熱が先へ巡っていかないとなると、生命体の隅々まで行き届かず、

乾いてきたり、冷えてきたりします。

乾いて冷えると、冷えが生じると同時にその場の「陰」(=人体は究極陰と陽に分けられます)

が不足し、乾いて「虚」してきます。そして熱が生じます。

脱水のときに熱発したりしますが、それと同じような状態です。

熱は上昇します。なので、ぼうっとしたり、頭痛がしたり、顔がほてったり…

それが冷えのぼせです。

気は生命を作るすべてのもとと考えるとわかりやすいかもしれないです。

2)補中益気湯より十全大補湯のほうが効果発現が早い

補中益気湯は気を補います。十全大補湯は気血を補います。

気血水で生命ができていると考えると、

三つの要素のうち、気血を先に補う十全大補湯のほうが効果が出るのが早いのは納得です。

尚、血の成分として気は欠かせません。気には様々な作用があります。

分かりやすい概念として、「元気」という言葉がありますが、これは「気」から来ています。

気だけを補っても、それが血になっていくまでの時間がかかります。

その分十全大補湯のほうが早く効果が出ます。

3)柴胡と抑肝散の違い

処方構成をみると、抑肝散には、当帰(トウキ)、 釣藤鈎(チョウトウコウ)、

川芎(センキュウ)、蒼朮(ソウジュツ)(あるいは白朮 ビャクジュツ)、

茯苓(ブクリョウ)、柴胡(サイコ)、甘草(カンゾウ)が含まれています。

柴胡が含まれているので、柴胡剤であると記事に書きました。

そして、当帰は肝血を補うと言われ、釣藤鈎には平肝の作用があります。

抑肝散は、トータルで疎肝作用をおおいに助けています。