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補中益気湯と十全大補湯について

有名な二つの処方の違いについて、質問にお答えする形式で、

気と血の観点からお伝えしましたが、

新たに「それでは十全大補湯を使えば良いのではないか」との疑問が残ると

コメントをいただきました。なるほど、と思いました。

同時に、それぞれの処方ができた背景つまりは多くの人達に使われるようになった経緯や

その時に流行した病気などが違うなあとも思いました。

状態に合わせて、気を補えばその人の本来の健康体に近づくのか、その症状が軽快するのか、

それとも気だけでなく血も補わなければいけないのかなどを診る必要があり、

それが証をとるということになります。

証をとらないまま、血虚はさほど明らかになっていないにもかかわらず血を補うと、

単純に考えて血が実し、余ってくることになりますが、元気になりすぎることになります。

効きすぎるというとわかりやすいかもしれません。

精神科領域では元気になりすぎるのは、躁状態の可能性が高いと考えられ、

気分の波が激しくなり、ご自身でのコントロールが難しくなることと考えられます。

元気になり、機嫌もよくなったりして、周囲と良好な人間関係が保てるのであればよいのですが、

活動的になりすぎたり、怒りっぽくなったりして、何でもやり過ぎてしまうこともあります。

効きすぎると、しばらくそういう状況になってしまうことがあるのです。

なので、ほどほどの、適切な補い方をする必要があります。

補中益気湯が抑うつ気分があって、食欲も低下しているという状態の際によく用いられますが、

食事を摂取することができさえすればよいという場合、食欲を増せばよいので、

上のように補中益気湯が用いられます。

十全大補湯は、産後どうしても回復しないとか(ただし、芍薬が含まれていますので

子宮復古が終わってから)、大病後であるとか、そういった消耗しており

食事摂取もままならないといったような状況の際に用いるのがよいと思います。

背景を把握し、証をとり、体質を見定めて決めていく必要があります。

自身もまだまだ研鑽を積んでいかなければいけないと肝に銘じながら書いていますが…

私自身は、総合病院で身体合併症のための入院対応が主であった勤務のときに、

この二つの処方を用いる経験をさせていただきましたが、

まさかと思うほどお元気になられたということがありました。

漢方薬は長く飲まないと効かないというイメージがありますが、

さほど時間がかからないこともあります。

例えば倦怠感でベッドからなかなか離れられなかった方が、

翌日には動き回るようになられたということがありました。

漢方薬は、基本的には身体をより健康的な状態へもっていくように作用すると考えてよく、

そう考えると、効果が得られた後は状況に応じて数日で止めてもよいのですが、

慢性疾患や不摂生など生活状態が良好でない場合などは、

3か月ほどは良い状態が維持されますが、再発してくることが多いと言われています。