周産期メンタルヘルスについて
- 2022年2月10日
- コラム
以前から周産期医療に精神科医が深く関わっていることを知っている人は少ないかもしれません。
私自身、総合病院に勤めるまでは、身近に感じられることはなく、
業務として携わることもありませんでした。
ですが、考えてみると妊婦さんも人ですから心の変化があって当然です。
生命をその胎内で育てているのですから、とてつもないことです。
その時期に起こる心の変化は、全くない人から大きな影響がある人もいて
本当に一人一人異なり、事実は一人一人の胸のなかにあるのだなあと思います。
内分泌の変化なんかではなく、病気ではない、という人もいらっしゃいます。
私自身の経験では、それはご本人の責任などではなく、
何等かの身体的変化が基盤にあって、ご自身で制御しきれない事態が起こるのではないかということ。
なので、不安やいらいら、気分の落ち込みなどで困ったと思われたときは、
ある意味アクシデントとして捉え、
いざという時には医療にサポートを求めてもらってもよいのではないかと思います。
もちろん、医療にかかるというのはとてもデリケートなことです。
なので、まずは助産師さんに相談していただいたり行政のサービスを利用していただくことが、
周産期メンタルヘルスの大きな柱となっています。